チェロとギター 魅惑のデュオ」コンサート(Y.H氏より)


 3月20日に、津で、このようなコンサートがあった。チェロ・・・向山佳絵子、ギター・・・福田進一である。

 さすがにチェロの音量は豊かであった。その、こまごまとしたことにこだわらず全体を包み込むところが、この楽器の魅力の一つだろう。それに比べ、ギターの場合は、爪弾きによって生み出される繊細な音色が持ち味の一つになっている。その虹色の響きは、はかないからこそいとおしい。

 この、それぞれの持ち味を生かして組み合わせの妙を演出するには・・・・・・、まず浮かんだことは、2つの楽器を離してみることだ。そうすれば、チェロの音によってギターの音が打ち消されにくくなるだろうから、ギターも無理に力を入れて弾かなくても済むかも知れない。逆にチェロの場合は、あまり小さく弾いたのでは、持ち味の豊かな響きは引き出し難いだろう。

 これをステージで形にするなら、ステージの奥の隅にチェロ、それと反対に、もう一方の端の、前の方にギターを置く。そうすると真ん中が寂しいから、中央にランプでも置いて、そのやわらかい光を挟んで、2つの楽器に語らせてみたらどうだろうか・・・・・・と、まあこんなことを考えてみた。


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